本当の島根〜島根県の詳しいガイドブック〜

私の両親の故郷が島根県にあることから、私は少年時代、とくに夏休みの期間中にそこで過ごしました。東京の小学校では島根県の認知度がかなり低く、鳥取県と混同するのはずっとマシなほうで、そこへ行くにはパスポートが必要なんだろう? なんて、本気とも冗談ともつかない可笑しな顔で尋ねるような子供もいました。こういう場面に出くわす度に、私は両親を呪い、島根を呪いました。島根にゆかりがある自分が甚だカッコ悪いと思ったのです。

大人になってからちょうど五年間、縁あって私は島根県で暮らすことができました。今では、島根県にゆかりがある自分を大変誇らしく思っています。なぜか。





島根が侮れない県であることが分かったからです。





つまり、島根県は昔の出雲国、石見国、隠岐国が合併した県ですが、出雲国には上古、出雲王国があり、これが日本という国の成り立ちに大変重要な関わりを持っていることを知ったからです。





出雲王国は大和朝廷の向こうを張ったのですが、それはたとえば、後北条氏の豊臣政権に向かってした抵抗のようなものではなくて、おそらくは五分と五分、野球でたとえれば巨人対阪神のような、そんな大きな勢力同士のぶつかり合いだったようなのです。





大和朝廷が太陽なら、出雲の国は月、両者の関係はこんなふうにも喩えられるかもしれません。

石見国においては、なんといっても歌聖柿本人麻呂、そして画聖雪舟と大きな関わりがあるということ、そして森鴎外や西周などの偉人を多く輩出したこと、中でも、余は石見人森林太郎として死ぬることを欲する、といった意味の言葉を残して死んでいった森鴎外、この人が石見国の産であることに大変な喜びを覚えるのです。これらの事実を知るに至ったことも、島根県にゆかりがある自分を誇らしく思えるようになった所以です。

島根県は東西に長い県で、よって旧出雲国エリアと旧石見国エリアでは、人々が話す言葉や文化がまるで違います。このことも島根県の大変ユニークな点です。

著者の実地の見聞に基づいた、詳しい島根県の観光ガイドブックを制作しました。是非、下をチェックしてみてください。また併せて、島根県の小説家田畑修一郎の名著「風土記 出雲・石見」をLab 鎌倉奥乃院で下にあるとおり、電子書籍にしましたので、こちらもチェックしてみてください。

Lab 鎌倉奥乃院 代表 益田寿永

以下、本の紹介の抜粋





東京で生まれ育った著者が、島根県に実際に五年間暮らした体験に基づいて書いた、真に迫る「本当の島根」の観光ガイドブックです。





島根県はかつての出雲国、石見国、隠岐国が合体して出来た県ですが、いまだにこれら三国が併存している不思議な県です。
出雲国内には、なんといっても日本という国の成り立ちに大いに関係のある出雲王国があった場所。ここは日本史上、非常に重要な場所であることから、上古のエネルギーが磁場と化して、今なおここへ立ち入る者の心を励起させます。隣接する松江は湖水とお茶のホッと心の和む美しい街。





石見はなんといっても歌聖柿本人麻呂と画聖雪舟のそれぞれの道の第一人者に大変深いゆかりがある場所。そして山陰の小京都津和野は、森鴎外をはじめ、多くの偉人たちを輩出しました。





津和野よりさらに奥へ入った、広島県との県境に近い場所には、毛利元就躍進の第一の契機を与えた高橋氏の哀しい歴史、それから大森銀山(石見銀山)の争奪を巡る、尼子と毛利の激しい戦闘が宍道湖岸などで繰り広げられました。





隠岐国はなんといっても律令時代からの流刑の地。中でも後鳥羽院はこの島に流されたことで、無双の歌人になったのでした。





本書は島根の歴史のみならず、文芸、芸能、映画、生き物、グルメなどなど、その筆の及ぶところは多岐にわたっています。





随所に著者が撮影した写真を掲載してあります。





目次:





まえがき





1 田畑修一郎著「風土記 出雲・石見」





2 人麻呂と雪舟、そして益田氏の街





3 高橋氏哀史、そして車寅次郎





4 古事記、尼子氏、そして映画





5 水の都、松江





6 後鳥羽院終焉の島

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「風土記 出雲・石見」 著者:田畑修一郎

以下、本の紹介の抜粋





島根県出身の作家、田畑修一郎による、不思議の国、島根県の文学的ガイドブック。





島根県はかつての出雲国、石見国、そして隠岐国が合体して出来たのだが、とくに出雲国と石見国は、隣接していながら全然異質な国同士の合体だった。





古代王国と八百万の神、製鉄、和菓子と抹茶文化の出雲国、柿本人麻呂、雪舟、西周、森鴎外等偉人たちに深いゆかりがある石見国、これらのテーマについて、小説家ならではの筆致で面白く島根を解き明かしてくれる。





なお、田畑修一郎は、鎌倉文士の一人中山義秀と芥川賞を競い、惜しくも落選した小説家です。





目次:





まえがき





出雲





1 水と空と雲、2 出雲的なもの、3 松江の町、4 松平不昧公、5 出雲の人・物、6 出雲鉄と安来節





石見





1 石見の歌、2 石見の文化的要素、3 石見赤瓦と粗陶器、4 石見山間の町、5 石見半紙、6 石見における雪舟、7 石見と柿本人麿、8 三瓶山

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